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サイト「一日千秋」のブログです。雑記やweb拍手返信など。
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注意書きにあるって書きましたが、実質このブログに載ってなかったので、今web拍手にあるやつをアップ。
変わりにお礼文も入れ替えましたが、かなり自信が無い・・・
まあ、見る人もいないので変わりは無いでしょうがね。

一応、web拍手のシークレットは一貫してゼロの使い魔でした。
内容的には本編分岐、になるんでしょうかね?
惚れ薬の件で、もし才人も惚れ薬をくらってたら・・・というif。
・・・はい、しょうもないですね。
まあ、とりあえず上げたので、もし興味のある方は開いてやってくださいませ。
ではでは、今日はこの辺で~

エンリス、LAS連載ともにちゃんと進んでいますのでご安心を。
お待たせしてしまって申し訳ありません。








「ルイズ・・・」
「サイト・・・」
二人は見詰め合った状態を維持したまま、まったく動こうとはしない。
そしてその傍では状況が飲み込めず、ぽかーんと口を開けたまま、石像の如く動かないギーシュと、
やってしまったとばかりに、額に手を当てたままため息をつくモンモランシーの姿があった。
「あの、モンモランシ、あれは一体・・・?」
目の前の二人を指差しながら、ギーシュは明らかにその原因を作ったっぽいモンモランシにたずねる。
返事を躊躇っていたモンモランシーだったが、ついに観念したのか、その正体を言う。
「・・・惚れ薬よ。」
「ほ、惚れ薬!?」


ギーシュは暇さえあれば学院に居る女性を口説き、節操が無いとは正にこのとこ。
本人は自分以外に好意を持っているわけがない、君以外の女性は目に入らない、とか言うが、
試しにあ、裸のお姫様が飛んでる、と振ってみると、自分へのくどき文句を中断して外を食い入るように見始める。
・・・ダメだ、こいつは。
そう思った私は、前からの計画通り、懐から小柄のビンを取り出し、その中身をギーシュにワイングラスに垂らす。
ワインがわずかに光を帯び、すぐ元に戻る。
・・・これでよし。
あらかじめ動物相手に試してあるし、効果も確か。
後は、これをギーシュに飲ませて、私を初めに見れば、完璧。

こんな外見ばかりでダメな奴だが、惚れてしまったからには仕方ない。
そう、こんな禁制の薬を使ったとしても、態度を改めないこいつが悪いのだ。
うんそう、しょうがない、と自分を納得させ、とりあえず外を眺めるのに夢中のギーシュに一言、嘘よ、といって呼び戻す。
「な、なんだ、早く言ってくれればいいのに・・・」
ギーシュはそういってあわてすぎて乱れた服装をただし、再び席に着く。
そして場の雰囲気が元のまじめに戻った所で、私はワイングラスを持ち上げる。
「さ、乾杯しましょ。」
「そ、そうだねモンモランシー。」
そういってギーシュがワイングラスを持ち、
「美しき君に、乾杯。」
既に先ほどのやりとりで褒め言葉が出尽くしていたギーシュから出たセリフは簡単なもので、私からしたら不満の残るものだったが、
この後にまっている出来事を考えれば、そんなことは問題ではない。
カチン、とグラスをあわせ、ギーシュは口元へそれを運ぶ。
・・・うまくいった。
そう、私が確信したその瞬間。
バァン、と急に私の部屋の扉が開き、息を切らせた平民の姿をした男が立っていた。
確か、あいつはルイズの使い魔。
その肩で息をする姿を見れば、大体の予測はつく。
大方、ルイズを怒らせるような真似でもしたのだろう。
普段は軽く無視する所だが、今はそんな場合ではない。
今は、今後の人生を左右しかねない、重要な時なのだ。
「・・・か、かかか」
「なんなんだ君は!急に部屋に押し入ってきて!!」
何かを言おうとする平民をギーシュが問い詰める。
が、その後、
「かくまってくれ!!」
そうのたまったかと思ったら、ベッドに入り込みシーツを被ってがたがたと震え始める。
「急に入ってきたかと思ったら君は何をやってるんだね!!
 急に人の部屋にはいってきていきなり女性のベッドに入り込む奴がいるか!!」
ギーシュが立ち上がってその平民に向かって文句をいい、私も同じように言おうとしたとき、
しまっていた扉が再び開き、その周辺に立っていたギーシュを吹き飛ばす。
「ギーシュ!
 っもう、今度は何よ!?」
ギーシュを吹き飛ばして現れたのは、さっきの平民と同じように息を切らせ、
杖を折らんばかりにこぼしを握り締めたまま怒りに我を忘れる、ルイズの姿があった。
「・・・サイトはどこ?」
怒りを押し殺したように言うルイズだが、こっちはそれどころではない。
「何なのよあんたたちは!?
 早くどっかに」
「ッるさいわね!!サイトは何処よ!?」
その気迫に押され、私とギーシュは思わずベッドで震える平民の方を指差す。
「・・・ああ、そこに居たのね、サイト。」
部屋の中に入り、そして一言。
「サイト、出てきなさい。」
「・・・・・・」
一向に返事のないサイトの様子に、又ルイズは怒りを募らせながらも、それを抑える。
そして、何気なく左手の近くにあったテーブル上のグラスを掴み、一口煽る。
そのグラスを掴んだ瞬間、あ、と私は声を出す。
勿論、秘蔵のワインをルイズに飲まれたことではなく、ギーシュに用意した惚れ薬入りのワインを飲んでしまった点である。
が、時既に遅し、もうルイズはワインを口に含んでしまっていた。
あれは一滴垂らしただけのワイングラスでも、一口飲むだけで効果がある。
この結果はすなわち、次に眼にした人物を好きになってしまうはず。
・・・この時点で、既に私はいやな予感がした。
「ルイズちょっと待って・・・」
私はルイズを止めようとしたが、下手をしたら自分がほれられてしまう。
しょうがなく、ルイズの好きなようにやらせることにした。
こうなったら、どうにでもなれだ。

「・・・もう一度言うわ。
 ・・・サイト、出てきなさい。」
つかつかとベッドの方へ歩み寄る。
「今なら、一ヶ月ご飯抜きで許してあげるわ。」
そしてシーツの上からサイトの頭と思われる所に、ワインの残りを垂らす。
ワインの赤が、じわっとシーツに広がる。
その感覚にひっ、とサイトは悲鳴を上げるが、
「・・・サイトはいません。
 それに、それじゃ死んじゃいます、ご主人様。」
さりげなく、抗議も入れる。
そのセリフにルイズは眉を上げ、
「・・・ほう?
 犬以下である、アンタが何を言うって・・・?」
そういって布団を剥ぎ取ると、サイトにワインが直撃する。
中身の無くなったワイングラスを床に放り捨てると、サイトの胸倉を掴み自分の目の前に顔を寄せる。
そして、二人は目と目を合わせる。
一人は怒りに染まった瞳を、一人はおびえきった目を。
「しょうがなく私が飼って上げてるってのに、
 アンタは、なにを、言うって・・・?」
怒りに満ちたセリフが後半になるに連れて弱くなっていく。
そして、その目はとろんとし、段々と涙目になっていく。
・・・ああ、やっぱりこうなったか・・・
あちゃあ、と額に手を当てると、ハァとため息をつく。
何か、物凄く面倒なことになったなぁ・・・
そう、思っていたときだった。

「・・・ルイ、ズ?」
そういった平民の目は、何故か先のルイズと同じように潤んでおり、
いつの間にかルイズは手を離し、二人は見詰め合ったまま、ずっと動かない。
・・・まさか、平民まで惚れ薬を飲んでしまうなんて・・・
余計にことがこじれ、思い描いていた想像図が音を立てて崩れ、お先真っ暗の想像が自分の頭を占めた瞬間だった。
ここで、冒頭の場面へと繋がる。

「・・・ルイズ、俺が悪かった。今までのことも全部謝る。
 だから、許してくれないか・・・?
 もうお前無しじゃ俺、生きていけない・・・」
「・・・ううん、サイト、私こそ謝るべきだわ。
 そんなに想ってくれているのに、ただメイドに言い寄られただけなのに、
 あんなに疑ってしまって・・・」
「・・・いや、俺が態度をはっきりさせるべきだったんだ。
 お前に比べたら、いや、比べるまでも無く、ルイズを選ぶべきだったのに・・・」
「サイト・・・」
「ルイズ・・・」
二人は又見詰め合うと、静かに、サイトがルイズを抱き寄せる。
二人の姿は、月を背景に、美しく映えていた・・・

 

「・・・で、どうするんだい、モンモランシー?」
全ての事情を知ったギーシュは、この後どうする気なのか、とモンモランシーに問う。
自分の為にしてくれたのは(というか、モンモランシー自身のため)うれしいが、
これはばれたら流石にただ事ではすまない。
それに、ここまでの変わりようがあれば、そんな存在も疑いたくもなるというもの。
ばれてしまうことを恐れるギーシュに、モンモランシーはこういった。
「・・・放っておきましょ。」
「ちょ、モンモランシー、そんなに適当でいいのかい!?
 君の人生にかかわることじゃないか・・・?!」
あわててモンモランシーに言い寄るギーシュだが、大丈夫、という。
「どうせ、ルイズのやることだから、問題無いわよ。
 又何かやらかしたとでも思って放っておくでしょう。」
はぁ、とため息をつくと、モンモランシーは物憂げに窓の外を見つめる。
そこには輝く月があって、その光は、まるで自分を慰めているかのように、モンモランシー自身は思った。

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