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サイト「一日千秋」のブログです。雑記やweb拍手返信など。
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今日は2本立て。
かといって内容がそこまで進んでいるわけではないというorz

SSは続きから。




























アスカと僕は重なり、思考を一つにする。
目の前の仇を討ち、復讐を成すために。
自分達の悲願を達成する為に。

量産機の双頭を持つ剣をプログナイフでうまくいなし、胸部をすれ違い様に切りつけながら、『私』は想う。
この仇を討つことで、果たしてその想いは報われるのかどうか。
自分達が負けたのは、この量産機ではないのに。この世界の使徒たちでは無いのに。
自分達が守れなかったのは、この世界のミサトやリツコ、ヒカリやトウジではないのに。
どうして、私は戦っているのだろうか。
どうせこの仇を討ったって、何一つ特になることは無いのに。『私』は、何をやっているんだ?
救われるのは、この世界のアスカ、レイ、ミサトやリツコさん。僕達の世界の人は救われず、相変わらず、死んだままなのに。
どうして、どうして・・・?

そう思考する間にも『私』は冷静な判断を下し、次々に襲ってくる量産機を的確に対処し、少しでもアスカへの負担を減らそうとしている。
遠くの敵にはパレットライフルを撃ち、近づいてくるものにはプログナイフかソニックグレイブで切り伏せる。
あの時と同じ、倒せども倒せども、何度も何度も立ち上がり、薄気味悪い笑みを浮かべる。
その表情におびえることもなく、決して油断することなく、冷静に冷静に。


今の『私』は、おそらく惣流・アスカ・ラングレーや綾波レイをも凌駕する。
綾波レイの冷静かつ迅速に判断できる思考能力。
惣流・アスカ・ラングレーの誰も敵わぬほどに鍛えられた、無駄の無い戦闘能力。
そして、碇シンジの高いシンクロ率。
その全てを兼ね備えている、世界最高のエヴァンゲリオンのパイロット。
おそらく、並行世界の自分達と比べても、決して劣るものではないはず。
その能力とともに、私達の世界同様S2機関を搭載した初号機。
たとえ9:2だとしても、これだけの好条件で『私』達が負ける筈が無いのだ。

ATフィールドで防げるものは全て防ぎ、止まらずに量産機へパレットライフルを叩き込みながら
回し蹴りの用量で量産機の頭部を吹き飛ばす。
「・・・フィアート」
あのときの呟いた言葉が、思わず口から出る。

それからも『私』は坦々と幾たびも起き上がってくる敵を倒しながら、再び思考に入る、
どうして、『私』はこんなことをしているんだろう。
ここで復讐しても、向こうの世界の人からすれば私達は何の得もしない、無駄な戦いなのに。
それなのに、『私』の体は勝手に動き、この世界の人を守る為に行動している。
何故、どうして、・・・・・・・・
この戦いは、『私』にも特になる、何か有意義な意味があったはずなのに。
なんだったか、何なのか、何を考えていたのか・・・


考えれば考えるほど思考は行き詰っていき、何故、どうしてを繰り返す。
なんだか、自分がしているこの戦いが、スクリーンで見ている映画のように、他人事のようにすら見えてきた。

と、そこまで考えて、『私』はふっと笑ってしまう。
この考え方はまるで、綾波レイそのものではないか・・・・
『私』は他にも2人いるのだから、その考えを分けてもらえばいいのだ。
記憶をたどればいい。そうだ、自分のそのときの感情を理解すればいい。
そうして私は、今の始まりである、一年前に戻る・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 


・・・・・・まるで、僕は海の中を漂っているような、ふわふわとした空間に身をおいているようだった。
心地よくて、まるで天国に居るかのよう。
でも、目を開けるとそこには今までのように見慣れた天井があって。
今までの感覚が睡眠特有のものだと、ぼんやりとする頭で理解する。
自分だけでなく、周りにも意識を傾けてみると、二人の声が聞こえる。
「・・・・・・!!」
「・・・・・・・」
この甲高い声は、確か、紅い髪の女の子と、青い髪の女の子の、・・・・
だめだ、すぐそこまで出掛かっているが、ぼやけた頭では思い出せない。
横を向いてみると、その少女二人が言い合いしているのがわかった。
「・・あ・・・・っていうの?!」
「・・・え・・・うわ。」
二人が何を言っているのかはわからないが、言い争いをしているようで、
紅い髪の少女が一方的に青い髪の少女に食って掛かっているようにも見える。
その光景は前にも見たことがあって、何故かそれが懐かしい、と感じた。
大変だったが何の杞憂もなく、順風満帆に言っていた頃の・・・と・・・。
頭にその光景は浮かんでも、二人の情報に関してはノイズが混じり、何もわからない。
「・・・・・・」
まともに考えようとも意識がはっきりせず、濁った思考しか出来ず、余計に混乱していく。

そのうち、二人が僕が目を覚ましていることに気づく。
自分に話しかけている様子で、僕は返事をしようとするが、どうにも意識は混濁していくばかり。
とうとう僕は襲ってくる眠気と強い疲労感に負け、意識を手放した。

 

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