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サイト「一日千秋」のブログです。雑記やweb拍手返信など。
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おっそ!?という突っ込みはごもっともでございまする。
いや、なんとなーく書いてたら仕上がっちゃったというか・・・
しょうがないよね、うん!!


エンリスは、ようやく半分。終盤に突入しました。
もうしばらく、お待ちを。

ではではー

今日は一月一日。
いわゆる元旦という日だ。
鏡餅を飾って、お雑煮食べたり、おせち料理を食べたり、羽根突きや凧揚げ。新年を祝うイベントが沢山ある。
無論、その例に漏れるわけも無く僕達も遊びや料理に舌鼓をうっている、いや、うっていたわけだが。
「・・・どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
 僕、何か悪いことしたかな?」
何故か、冷たいフローリングの上で正座させられている僕は、同じ格好で隣に座る人物にたずねてみる。
「・・・アンタが悪い。こいつらに、お酒なんて出したから・・・」
足がしびれたのか、若干足をゆすりながら僕に恨みの篭った視線を向けてくる、アスカ。
勿論、その視線は「後で覚えておきなさい」と語っている。
そして、
「こら、あなた達!私語は慎みなさい!!
 あなた達は怒られてる最中なのよ?!」
「そうよそうよ、シンジ君もアスカちゃんも、どうして私たちの言うことを聞けないの・・・?
 お母さん、悲しい・・・」
そんな僕達を顔をお酒が周ったのか、真っ赤にしながら叱る二人の母親の姿があった。
僕達ははぁ、と深い深い溜息をつき、悲しい現実に立ち向かうことにした。

 

 

 

 

 

「もう、どうしてあなた達はそんななのかしら・・・
 本当に、涙が出てくるわ・・・」
「そんなに泣かないでキョウコ・・・
 アスカちゃんは悪くないわ。これも全部、私がシンジの教育を誤ったせい・・・
 恨むなら私を恨んで頂戴」
「いや、それなら私のほうが悪かったに決まってるわ・・・
 シンジ君を捕らえて話さない程、アスカちゃんを魅力的に育てられなかった、私の責任よ・・・」
「キョウコ・・・」
「ユイ・・・」
二人共によよよと泣き崩れ、互いを慰めあう二人。
そんな茶番劇を見、下がっている肩をさらに落とす僕とアスカ。
言われっぱなしだと向こうのペースに巻き込まれてしまい、大変な目に会うので、仕方無しに適当に反論することにする。
「あのさ、僕達がどうこう言ってるけどさ、別に僕達の間に恋人関係とか、
 母さん達が邪推してる変な関係はないよ?」
「そうですよ、シンジとは良い友達として付き合ってますし、結婚なんてそんな」
「そんな悲しい事いわないでアスカちゃん!
 良い?あなたとシンジ君は結ばれる運命なのよ・・・!」
僕達の言い分を聞くわけもなく、ジョッキを握る手を高く上げ、そうのたまうシンジ母。
毎年こうやってやたら僕とアスカをくっつけたがるわけだが、当事者達からしたら迷惑以外の何者でもない。
「だから、そんなこといつ決まったのさ?
 アスカだって好きな人の一人ぐらいいるだろ?」
「・・・いや、居ないわね。」
いや、そこはいないにしても合わせようよ。
「・・・居ないそうだけど、選ぶ権利はあるって」
「大丈夫よ、選んできても私とパパが突っぱねてあげるわ・・・!!
 ねぇ、そうでしょパパ!!」
キョウコさんはワイングラスを割らんばかりに握り締め、後ろのテーブルで父さんと静かに飲んでいるアスカの父さんに話を振る。
「へ、いや、その人が良い人なら別にい」
「ギロッ」
「・・・ご免、そうだね、キョウコ」
ああ、唯一の良心もキョウコさんの一睨みで敵側に周る。
アスカのお父さんはごめん、と視線を送ってくるが、仕方ないですよ、と首を振って返した。
「・・・問題無い。全ては計画通りだ」
「ゲンドウさんは黙っててください。
 シンジの事に関しては全て私が決めます」
父さんは話に入りたかったのだろうが、母さんににべもなく返される。
「・・・・・・」
「ま、まあ、飲んで忘れましょう」
「・・・すまんな」
いつもの腕を組んだポーズのまま固まって動かなくなった父さんに、アスカの父さんがフォローを入れる。
落ち込んでいるのか、声にいつもの威圧感を感じない。
かわいそうとも思うが、実に良い気味だ。
「とにかく、今年こそは結婚してもらいますからね!!
 今年で、決着をつけるわよ・・・!!」
父さんは見向きもせず切って捨てた母さんは、ポケットをごそごそと漁り、ばん、とテーブルにA4ぐらいの紙を叩きつける。
毎年見たおかげで既に見慣れたそれは、どこからどうみてもくしゃくしゃになった結婚届だ。
しかも、親の欄に記入済み。
「さあ、後はあなた達が書くだけよ」
そういってキョウコさんがペンを僕とアスカに渡す。
毎年毎年よくやるものだが、なんといわれようとも結婚する気はないと言うに。
はぁ、と親の目の前で溜息をつくわけにも行かず、心の中にそっとしまっておくことにして、
「あのね、」
と切り出し反論を試みる。
が、しかし、アスカはそんな僕をすっと押しとどめる。
一体なにを言う気だ、と視線を送ったが、帰ってきたのはまかせろ、という視線。
アスカが任せろというなら任せるが、少し気になるのが、それに付随している感情が諦めだということだ。
自信満々というわけでもなく、仕方がない、と言っている様な…
と思案している僕を尻目に、アスカが語った言葉は、
「いいわ。書きましょう」
という、親達を狂喜乱舞させるのに充分な言葉だった。
「ホント?! 本当ね?! 言質は取ったわよ!!」
「流石はユイね!!苦節10年にしてようやく成ったわ…!!」
目の前の両親は天井を突き破って飛んでいくんじゃないかというほど狂喜し、
「…」
「え…」
後ろの父さんは静かにガッツポーズ。
アスカの父さんは驚き顔で。
そして、僕は猛烈にアスカに抗議する。
「ちょ、ちょっとそんなこといって大丈夫なのさ?!
 書くってことは結婚するっていってることと同義だよ!?」
舞い上がっている両親に聞こえないよう小さな声で抗議したが、アスカは実に落ち着いた様子で、
「まあまあ。考えても見なさい。
 私は書くといっただけで結婚するとはいってないわ。」
「だから、それって『私たち結婚します』っていってるのと同じことなんだってば!!
 どうする気だよ、そんな」
「だから、書くだけなんだからいいじゃない。
 別に結婚しますとはいってないんだし。それこそ、向こうは言質とってるじゃない」
「それはそうだけど…」
「いざとなれば二人だけで住みたいです、とでもいってここから離れてさ、それからこっそり離婚でもして別々に暮らせば良いじゃない。
 どうせ、ママ達は正月と夏休みくらいしか帰ってこないんだし
 これで来年からこの騒ぎに私たちが巻き込まれることはなくなるわ」
「それは、まあ…」
確かにアスカの言ってることは正しいし、別にその考えに反対してるわけでもないんだけれど…
なんかなぁ。
「それに、」
「それに?」
「私たち、何歳だと思ってるのよ」
「何歳って…14」
言おうとして、あ、っと気が付き、アスカは満足そうに頷く。
「そう、私たちはまだ結婚できないんだし、今から書いたって無駄なのよ。
 ママ達だってお酒入ってるんだからうろ覚えだろうし、いざとなったらパパにフォロー入れてもらえば良いわよ」
「……流石アスカ」
「でしょう?もっと褒めなさい」
僕の言葉にえっへんと胸を張るアスカ。
「天才、鬼才、百年に一人の秀才」
とりあえず思いつく限りの言葉を言ってみるが
「…もう少し、まともな言葉は無いの?」
と怒られる。
……ごめん
「まあ、いいわ。これでようやく開放されたわけね」
後ろで大騒ぎになっている両親を視界の端で確認し、うーん、とアスカは伸びをする。
かれこれ2時間近く正座で過ごしていたから、疲れがたまっていたのだろう。
僕も習ってやってみると、こりがほぐれていくようで気持ちが良い。
呪縛からも開放されたようで、実に気持ちが良い。
自然に笑みが浮かんできて、横を見るとアスカも笑みを浮かべており、二人で顔を見合わせてさらに笑った。
「さぁて、部屋に帰って寝るかな……」
「そうだね。もう目蓋がくっつきそうな感じ」
もう向こうはこっちに用は無さそうだし。
あのおせち料理は僕と母さんが分担して作ったものだし、その下地はほぼ僕。
流石に限界というものであった。
「お休み、母さん、父さん」
聞こえてないようだったが、一応の挨拶はしておいた。


「まぁ、あんたと結婚ってことでも良いんだけど
 親に全部決められるのってなんか気に入らないのよね…」
「そうだね…アスカほど気の会う友達も知らないし。
 別にいいんじゃない?このまま結婚しても」
もう帰ることすら億劫だったのでそのまま僕の部屋で寝ることになった。
二階にある僕の部屋へ向けてぎしぎしとなる階段を一段一段上っていく。
「馬鹿ね。結婚にはロマンチックなプロポーズが付き物なのよ。
 それがないといくらあんたでも結婚しないわよ?」
「ん~、そうだなぁ。
 じゃあ、こんなのどうだい?」
膝を付き、手をアスカに向けて伸ばし、ありきたりな求婚のポーズを取って
「君に僕のベッドの半分を貸してあげよう。
 だから、結婚しよう。
 ……魅力はないけど、大変実用性に富んでるだろう?」
「バーカ」
否定するわけでもなく、互いに笑いあって部屋に入る。
勿論、向かう場所は置いてあるベッド。
先に僕が入って、奥へ詰める。
そこに、アスカが入ってきて、一言。
「お休み、シンジ」
「お休み、アスカ」
当然のように挨拶し、そのまま就寝した。


部屋に向かう途中、気だるそうな僕とアスカが交わした言葉。
このプロポーズが本物にあるとは、二人は思っても見なかった。

 

 

「法律を改定して…」
「特例を認めてもらったほうが早いわよ?」
「…問題ない」
「アナタは黙ってて下さい」
「……」
「ま、まあ、お一つどうですか?」
「…すまないな」

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